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石崎まめ

新生活

更新日:2020年3月31日

 二人の息子が家を出たのは今から5年前。以来、猫と気ままに暮らしてきた。目覚まし時計をセットすることもなく、二日に一度の洗濯、酒のあて程度の料理、トイレのドアも閉めず、風呂上りにはパン一でストレッチ・・・。


 そんなわたしの生活が一変した。ワーキングホリデーでオーストラリアにいた息子Dが先週帰ってきた。日本を出る前に一人暮らしのアパートを引き払ったので、ここに帰ってきたわけだけど、このところのコロナウイルスの影響で就職活動も頓挫していて、しばらく共同生活することになるだろう。


 朝6時、「Good morning! How are you today?」というテンション高めの声でわたしは目覚める。Dのアルバイト、オンライン英会話が始まる時間だ。キッチンに降りて味噌汁を作る。洗濯は毎日になった。トイレのドアは閉める。一汁三菜。早寝早起き。すごい変化。そして、健康的!


 息子二人はほぼ同時期に家を出たのだけど、後に出たDとは約一年間二人暮らしをした。その頃のわたしたちはとても仲が悪く、わたしは毎日「神様、どうかDが1日も早く出て行ってくれますように」とお祈りをしていた。ところが別々に暮らすようになってからは、ま、よく聞く話だけど、大嫌いだった息子をかわいいと思うようになった。思っていたほど悪い息子ではなかったな、てか、わたしには過ぎた息子なんじゃないか。息子たちが小さい頃の夢をよく見るようになった。柄にもなくわたし、寂しいのかな、なんて思った。


 息子とまた共同生活をすることになるなんて、考えてもいなかったけど、同窓会みたいなこの新生活、今のところ順調。わたしたちの仲がまた険悪にならないうちにDの就職が決まりますように。

 

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